地理·
Google マップ・Mapbox・国土地理院:地図サービスの使い分け
Web 上で地図を扱うサービスはいくつもあります。Google マップが圧倒的に有名ですが、 用途によっては国土地理院・Mapbox の方が適しているケースも。 この記事では代表的な地図サービス5つを比較し、それぞれの強み・弱み・使いどころを整理します。 ちなみに当サイトcircle-mapは Mapbox を採用していますが、その理由も後半で説明します。
主要 5 サービスの早見表
- Google マップ: 圧倒的なルート検索精度、口コミ・写真の量、ストリートビュー
- 国土地理院 地理院地図: 公式情報の信頼性、地形図・空中写真、無料商用利用可
- Mapbox: 開発者向け、カスタマイズ性、API 単価が安め
- OpenStreetMap (OSM): 完全無料、コミュニティが作る世界地図
- Yahoo!地図: 日本のローカル情報が強い、災害情報の発信
Google マップの強み・弱み
強み
- ルート検索の精度(リアルタイム渋滞情報、徒歩・自転車・公共交通の選択)
- 店舗の口コミ・写真・営業時間(Google ビジネスプロフィール連携)
- ストリートビュー(世界中の道路を360度カメラで撮影)
- 多言語対応(150言語以上)
- モバイルアプリの完成度
弱み
- API 利用料が高い(1,000 マップロードあたり $7 から)
- 商用利用には Google マップ API 課金
- 埋め込み制限(過度な改変は規約違反)
- 住宅地の精細な地形は反映されにくい
向いている用途
- カーナビ・徒歩ナビ
- 店舗検索・口コミ調査
- 旅行先の事前下見(ストリートビュー)
- ルート所要時間の正確な確認
国土地理院 地理院地図の強み・弱み
強み
- 公的機関が運営する公式情報
- 標高・等高線・地形図の精度
- 空中写真・歴史地図のアーカイブ
- 商用利用が出典明記のみで自由
- ハザードマップとの統合(重ねるハザードマップ)
- 完全無料
弱み
- 口コミ・店舗情報がない
- UI が古めかしい
- ルート検索機能がない
- モバイル最適化が弱い
向いている用途
- 地形・標高の確認
- 登山ルートの計画
- ハザードマップとの照合
- 不動産・土地の境界確認
- 歴史地図との比較(古地図機能)
- 商用 Web サイトの地図表示(出典明記で無料)
Mapbox の強み・弱み
強み
- API 単価が Google より安い(50,000 ロード/月まで無料、超過後も $0.60/1000 ロード)
- 地図デザインのカスタマイズ自由度(Mapbox Studio)
- 3D 地形表現、グローブ表示
- 開発者向け SDK(JavaScript・iOS・Android・Unity)
- OpenStreetMap データをベースにしている
弱み
- 日本のローカル情報(店舗・住所)の精度が Google より劣る
- ルート検索機能はあるが Google ほど洗練されていない
- ジオコーディング(住所→緯度経度)の精度は地域差がある
- 一般ユーザー向けではない(API 経由での利用が主)
向いている用途
- 独自 Web サービスへの地図埋め込み
- カスタムデザインの地図を作りたい
- ダッシュボード・データ可視化
- 3D 地図・地形表現
- Google より安価に商用利用したい
OpenStreetMap (OSM) の強み・弱み
強み
- 完全無料・オープンソース
- 世界中のコミュニティが地図を作る
- API 制限なし(セルフホストすれば)
- 商用利用 OK(ライセンス遵守)
弱み
- UI が無骨
- 地域によって精度に差(日本は比較的良いが、地方は薄い)
- セルフホストには技術知識が必要
- サードパーティのタイルサーバーには無料利用制限あり
向いている用途
- 無料で地図データを使いたい開発者
- カスタム地図のベースデータ
- Mapbox・他の地図サービスのデータ源として
Yahoo!地図の強み・弱み
強み
- 日本のローカル情報に強い
- 災害情報(雨雲レーダー、地震情報)との連携
- 路線図・電車の遅延情報
弱み
- 世界対応が弱い(海外の地図は薄い)
- API 利用は条件付き(無料枠は小さい)
- モバイルアプリのユーザー数は Google マップに大きく劣る
向いている用途
- 日本国内の災害情報・防災確認
- 電車・バスの運行情報
- 地域密着型サービスの埋め込み
使い分けの実例
シーン: 引越し先の検討
- 家探し・物件選び: Google マップ(口コミ・徒歩時間)
- 地形・水害リスク確認: 国土地理院(標高・ハザード)
- 近所の散歩ルート: OpenStreetMap(歩道の情報が詳しい)
シーン: 旅行プラン
- 観光地調査: Google マップ(口コミ・写真)
- 登山ルート計画: 国土地理院(地形図)
- 現地でのナビ: Google マップ(オフライン地図)
シーン: Web サービス開発
- 個人ブログに地図埋め込み: Google マップ Embed(無料、デザイン固定)
- 不動産サイトの地図表示: Mapbox(カスタムデザイン、コスト効率)
- 商用利用で完全無料が必要: 国土地理院 タイル + Leaflet
circle-map が Mapbox を選んだ理由
当サイト circle-map は同心円描画ツールとして Mapbox を採用しています。理由:
- コスト: 月間 50,000 ロードまで無料。Google だと 28,000 程度
- カスタマイズ: 同心円のレイヤー追加が API で簡単
- OpenStreetMap データ: 地図データは世界のコミュニティが更新
- API レスポンス: GeoJSON Polygon の追加が直感的
- 商用利用: 広告収益化を含めた商用利用が想定されている
選び方のフローチャート
- 個人で地図を見たい → Google マップ
- 店舗・口コミを調べたい → Google マップ
- 地形・標高を見たい → 国土地理院
- 災害リスクを確認したい → 国土地理院(重ねるハザードマップ)
- Web サービスに地図を埋め込みたい(無料) → 国土地理院 + Leaflet
- Web サービスに地図を埋め込みたい(デザイン重視) → Mapbox
- 大規模商用 + 高機能 → Google マップ API(高コスト)
まとめ
- Google マップは「全部入り」、ローカル情報・口コミ・ルートで最強
- 国土地理院は「公的情報」、地形・ハザード・無料商用利用が魅力
- Mapbox は「開発者向け」、カスタマイズと API コスト効率
- 用途で使い分けるのが正解、無理に一本化しない
- circle-map は Mapbox を採用、半径地図用途には最適
Mapbox 製の半径地図を試す:circle-map で同心円を描く →
関連記事: 半径地図の距離計算の原理